2025/05/11(日)輻島章恭コンサートシリーズ 4

指揮:福島章恭
東京フォルトゥーナ室内管弦楽団

(コンサートマスター:相原千興)

 

シューベルト 交響曲第7番ロ短調  D.759「未完成」

ブラームス 交響曲第1番ハ短調  Op.68


2025年5月11日(日)13:30 開演 13:00 開場

杜のホールはしもと  ホール
(JR横浜線・相模線 京王相模原線 「橋本駅」北口「ミウィ橋本」7階)
全席自由 4800円(発売中)
ご予約・お問合わせ
オフィスアルシュ03-3565-6771
チケットぴあ  
イープラス
主催:かもっくす音楽舎 

福島さんは「カリス性」がない本当の「カリスマ」です。感謝と尊敬と友情を込めてコンサートの成功を祈ります。       指揮者・井上道義

30年の時を費やし熟成した福島章恭の音楽〜ロマン派交響曲に注ぐ眼差し
福島章恭さんとの出会いは今から30年前。気鋭の音楽評論家vs新聞社の音楽担当編集委員の図式だった。新聞記者は毎日誰かを取材し、記事を書く。これまで会った人の数は膨大で、ほとんどが一期一会で終わるなか、福島さんとは不思議なことに周期的に遭遇してきた。最初は高名な先輩評論家と堂々肩を並べての共著の出現に目をみはったが、世紀の変わり目あたりから合唱指揮&指導者に転身、大阪フィルハーモニー合唱団を拠点に目覚ましい成果をあげ始めた。コロナ禍前年の2019年には東京・サントリーホールでブラームスの「ドイツ・レクイエム」を〝仇敵〟ワーグナーの「ジークフリート牧歌」と並べて指揮、静謐な時間の流れの中に福島さんの生死感や世界平和への願いがこもり、オーケストラ音楽の指揮者への期待を募らせた。私の願いはコロナ渦中の2021年、東京フォルトゥーナ室内管弦楽団を指揮した「福島章恭シリーズvol.2 珠玉のモーツァルト&ベートーヴェン」(4月17日、杜のホールはしもと)で初めて満たされる。楽譜の隅々まで入念に読み込んだ痕跡はもちろん、合唱指揮で共演した内外様々な指揮者の様式感や現場処理の手法が脳内のデータに収まり、本来の豊かな歌心がごく自然なフレージング、アーティキュレーションとともに聴き手の耳(と心)へと届く。次のチャレンジは「歌なし」のブラームスの「交響曲第1番」とリート(ドイツ語歌曲)の王者シューベルトの「交響曲第7番《未完成》」。ロマン派の高峰に挑む。声楽から器楽、その統合へと歩を進めてきた福島さんの「30年熟成」を味わえるはずだ。
池田卓夫
音楽ジャーナリスト@いけたく本舗®︎


福島章恭コンサートシリーズこれまでの歩み

第1回 

ニューイヤーコンサート《ウィーンの花束2020》
2020年1月5日(日)13:30
大和市文化創造拠点シリウスやまと芸術文化ホール

 大ホール
1. モーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
2. チャイコフスキー「弦楽セレナード」
3. "ウィーンの花束"名曲集
ヨハン・シュトラウスⅡ:喜歌劇「こうもり」序曲、ワルツ「南国の薔薇」、トリッチ・トラッチ・ポルカ、ポルカ・シュネル「雷鳴と電光」、ワルツ「ウィーンの森の物語」、ピツィカート・ポルカ(共作:ヨーゼフ・シュトラウス)
コムツァーク:ワルツ「バーデン娘」
アンコール
ヨハン・シュトラウス1世::ラデツキー行進曲
..................................................
第2回
”OVERCOME COVID-19 CONCERT with Amadeus & Ludwig"
(コロナ禍にあって、日常のささやかな至福を取り戻すコンサート
2021年4月17日 杜のホールはしもと
1. モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲
2 .モーツァルト:交響曲第41番ハ長調K.551 「ジュピター」
3. ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調op.92
アンコール
ヨーゼフ&ヨハン・シュトラウス2世::ピツィカート・ポルカ
ヨハン・シュトラウス1世::ラデツキー行進曲
..................................................
第3回
ベートーヴェン「英雄」&「第8」
2024年4月13日(土) 杜のホールはしもと
1.  ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調op.93
2. ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調「英雄」op.55
アンコール
J.S.バッハ:アリア(管弦楽組曲第3番より)
指揮: 福島章恭
東京フォルトゥーナ室内管弦楽団

(コンサートマスター:相原千興

福島章恭コンサートシリーズ4に寄せて
1.ニューイヤーコンサート「ウィーンの花束2020」の想い出
 はじまりは、2020年新年。
「大和市文化創造拠点シリウス芸術文化ホール」という長い名称にして、環境と音響に優れた音楽ホールに於けるニューイヤーコンサートであった。
前年の秋、施設の空き情報を眺めていたところ、ポコッと1月5日に空きのあるのを発見。
「これは、ニューイヤーコンサートにうってつけだ」
という閃きから衝動的にホールを確保。
しかし、大きな編成のオーケストラを雇う予算はない、ということで、弦楽アンサンブルを起用することを決めた。かくて、かねてより信頼関係にあったヴァイオリニスト相原千興氏の主催する東京フォルトゥーナ室内管弦楽団からのメンバーとの共演となった。

プログラムは、弦楽合奏のためのオリジナル作品から、モーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」とチャイコフスキー「弦楽セレナード」。
後半には、ウィンナ・ワルツ、ポルカ、マーチなどによるウィーンの空気が満載の選曲とした。弦楽アンサンブル用の編曲が見つけられず、弦楽四重奏用の譜面を転用したり、オーケストラ用スコアから必要な音を抜き出して体裁を整えたりした。パート譜作りに苦労した記憶があるが、それも佳き思い出である。

ひとつの難題は、リハーサル会場であった。お正月にオープンしているスタジオがなかなか見つからなかったが、都内に一軒だけプライヴェートのスタジオを発見できて事なきを得た。

お陰様で、コンサートそのものは、大いに沸いた。特に後半は1曲終わる毎に大きな拍手をいただき、アンコールの「ラデツキー行進曲」での客席との一体感は忘れられない。

さて、最後に、いままで誰にも話してこなかったことを白状します
実は、この日、ステージ衣裳を入れたスーツケースを、自宅玄関に置いたままホール入りしてしまった。開演間際に気付いたので取りに戻る時間もなく、家族も家を出てしまっていた。
そこで、急ぎ大和駅前のスーツ専門店に走った。道すがら、ホールに向かうお客様とすれ違う。知人からは「あれ、何処に行くの?」と不思議がられる。なんとか新品のスーツとネクタイを用意できたのはよいけれど、ズボンの裾上げには間に合わず、ズボンだけ家から履いてきた普段着での本番となった。お客様には、よれよれのズボン姿をお見せして申し訳なかった。客席前方の方には、ばれていたに違いない。
...............................................
追記
もうひとつ、忘れられない情景がある。
終演後のロビーの華やぎである。幸せな年の始まり。多くの方の笑顔があり、たくさんの華やいだ会話があった。そのわずかひと月半後に、日本中がコロナ禍に見舞われるなどという予兆は何もなかった。
2月下旬にわたしがタクトを振ることになっていた、やまと国際オペラ協会主催の「ドン・ジョヴァンニ」ハイライト公演は、公演の数日前、なぜか譜面台なしに椅子だけ並べられたオーケストラ稽古会場にて、主催者より「中止」が発表された。事務所の電話は、「公演を中止しろ」という市内外からの抗議が鳴り止まず、中止の決断に至ったという。長い暗黒時代の始まりである。すべての稽古も本番も中止となった2020年春。あの日のロビーの光景を思い出すたびに、「ああ、あのコンサートをしてよかった」と思うとともに、「明日が必ずあると思ってはいけない。やれるときにやるのだ」という想いを新たにしたものである。


InstagramINSTAGRAM



OFFICE ARCHES  / ARCHES Co.Ltd.

1996年設立  バロック、クラシックのコンサート企画、マネジメントを行なっています。

各公演に関するお問合せ、チケット予約、演奏依頼などお気軽にご連絡ください。

音楽プロデューサー協会会員



更新期日 2025/04/15